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【有本香の以毒制毒】上川法相の「覚悟」に敬意 麻原元死刑囚ら7人の刑執行に署名 (2/3ページ)

 その後、麻原元死刑囚が逮捕されるまでの約2カ月、テレビや雑誌は「オウム狂想曲」状態となった。各局各社が争って、オウムの幹部を出演させ、「美人信者」を追いかけた。

 その様子は、まるで新手の「数字(視聴率や部数)が取れる」タレントを追うがごときだった。「尊師」がどうの、ヘッドギアがどうのと、「オウム解説」にいそしむ様子は、重大事を伝えているようでいながら、浅薄で、どこかふざけていた。

 今思えば、日本を脅かし続ける隣国・北朝鮮を、妙に面白がってイジる、今のテレビの空気と似ていたとも感じる。当時、私は一連のオウム報道を不快な思いとともに見ていた。自分が被害者になったかもしれないからだけではなく、「何か根本から間違っているのでは」との疑問があったからだが、翌年、オウムへの破壊活動防止法(破防法)適用が見送られたとき、初めて「日本は間違った方向にある」と確信した。

 自ら製造した猛毒の神経ガス「サリン」を、霞が関や皇居に70トンも空中散布して大量殺人を実行し、混乱に乗じて自動小銃を持った信者が首都を制圧する-という国家転覆計画を企てていた(=当時の捜査関係者談)団体に対し、破防法を適用しなかった事実は、国家として痛恨の極みとも言うべきことだ。

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