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【ぴいぷる】絶滅回避へ奮闘中! ウナギ研究の第一人者・塚本勝巳教授 「食文化が消えれば研究の意義も半減」 (3/3ページ)

 夜間には深海ビデオカメラ「ディープ・トウ」による産卵集団の探索も行った。気になる結果は「解析中なので親ウナギらしきニョロニョロした映像があるとだけ申し上げておきましょう」。

 ミッドナイトの産卵の瞬間が目撃できれば、「親ウナギの数や雄雌の比率、産卵行動の詳細が分かるし、ウナギの保全や資源管理の基礎資料となり、難航している完全養殖の事業化にも貢献できます」。

 ただ、そこに行き着くまでにこんな願いも…。

 「銀ウナギは全面禁漁、黄ウナギの漁獲も控えて。シラスウナギの採捕制限の強化も必要です。だけど、ウナギを全く食べないのでは食文化が消えてしまう。僕らの研究の意義も半減です。だからしばらくは、“ハレの日”のごちそうとして大切に味わうのはどうでしょう」

 今年の鰻重は心して食べよう。(ペン・冨安京子 カメラ・荻窪佳)

 ■塚本勝巳(つかもと・かつみ) 1948年11月9日、岡山県出身。69歳。農学博士。専門は海洋生命科学。71年、東京大学農学部水産学科卒。74年、同大大学院農学研究科博士課程中退後、同大海洋研究所助手。94年、教授。東大退官後、日本大学生物資源科学部教授に。「海山仮説・新月仮説・塩分フロント仮説」を掲げ2009年、世界初天然ウナギの卵を西マリアナ海嶺で採取。06年、日本水産学会賞。12年、日本学士院エジンバラ公賞。『大洋に一粒の卵を求めて』など著書多数。

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