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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「汗」》裏口入学の罪 事件を受けて思い出したこと (1/2ページ)

 医療報道に携わってきた経験から、医学生を相手に講義をする機会が年に数回あります。毎回、ドキドキしながら臨むのですが、さすがは難関の入学試験を突破した学生たち。素直で真面目な学生ばかりで、門外漢の私の話をいつも熱心に聞いてくれます。

 医学部の人気は留まるところを知りません。ここ数年で新たに2大学に医学部ができたほか、既存医学部もここのところ定員を増やしていたので倍率が下がっても良さそうなのに、そんな気配はありません。

 大手予備校によると、昔であれば理学部や工学部に進んだ受験生も、今や「手に職を付ける」という理由で医学部に行くのだそうです。学費を値下げする私大医学部もあり、偏差値の上昇に一役買っています。

 そんな私大医学部を舞台に、裏口入学が発覚しました。ひとつであるはずの学校の入り口に別の入り口が存在していただけでも驚きですが、驚くのは文部科学省の官僚の息子がその入り口を使ったことです。

 事件を受けて思い出したことがあります。数年前、ある私大医学部で講義をしたときのことです。終了後に何人かの学生と一緒に食事する機会がありました。そのとき学生のひとりがぽつりと「どうせオレは、カネを積んで裏口入学したと陰口をたたかれているんだ」ともらしたのです。

 開業医の息子である彼は高校時代、あまり成績がふるわなかったそうです。医学部進学をめざしましたが失敗。何年かの浪人生活の末、やっと入学できたのだといいます。

 「同級生が大学生になって遊んだりバイトしたりしているのを横目に、自分の時間はすべて勉強に充ててきた。でもそれを知らない高校時代の同級生から、カネを積んで合格を買ったと言われているんですよ」

 「確かにカネは積みました。医学部進学のための予備校に。でも、吐きそうなくらい勉強したんです。それも何年も」。悔しそうにそう言った彼の言葉が忘れられません。