記事詳細

さよなら「トロバス」 多彩催しで乗客増、11月廃止で鉄道ファンも集結 (1/2ページ)

 黒部ダム駅(富山県立山町)と扇沢駅(長野県大町市)を結ぶトロリーバスが11月末に廃止され、約54年間の歴史に幕を閉じる。「トロバス」の愛称で長年親しまれ、惜しむ人らで乗客が増加。盛り上げを狙い、地元では映画「黒部の太陽」関連の模型展示など多彩な催しが行われている。

 トロバスは関西電力が運営し、観光路「立山黒部アルペンルート」の関電トンネルを走る。1964年8月の運行開始後、乗客は累計6000万人を超えた。トンネルはもともとダム建設の資材運搬路。観光客はトンネル内の黒部ダム駅で降り、地中の階段でダムへ行くため独特の雰囲気を味わえる。

 水害で駅に土砂が入るなど苦労も多かったが、運行開始から無事故を誇る。関電は昨年8月、老朽化やコスト高を理由に廃止を発表。冬季の営業休止後、来年4月中旬に電気バスに切り替える。

 トロバスは「バス」と付くが、架線の電気で動き、分類は「無軌条電車」。運転する蟹沢秀人さん(60)は「無軌条電車の運転士は国内で少ない。愛着があり寂しい。最後まで無事故で安全運転したい」と話した。

 関電黒四管理事務所によると「最後なので鉄道ファンの乗客が増えている」という。今年の営業開始の4月15日から6月末までの乗客は約37万6000人で、昨年の同期間より約1万9000人増えた。7月中旬に訪れた横浜市の会社員高宮智之さん(35)は「形はバスだが、無軌条電車だから電車の制御装置の音が聞こえる。トンネル内の標識も鉄道用。面白かったのに」と残念そうに語った。

関連ニュース