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脳出血を乗り越え…ジャズサックス奏者・坂田明 体幹トレーニングで復活、演奏の基礎がついにできた (1/2ページ)

 ジャズサックス奏者、坂田明さん(73)のちょっと小さめの体には、パワーが満ち満ちている感じがする。だが16年前、57歳のときに脳出血を患い、今もしゃべったり字を書いたりするのに不自由を感じている。ひょうひょうとしたたたずまいの裏には、再び力強く、かつ繊細にサックスを吹くために、人知れぬ努力があった。

 「おまえ、そんな吹き方してたらいつか切れるぞ」ってずっと言われてて。それでまあ、切れちゃった、と。

 自分では気付かなかったんだけど、朝起きたら嫁さんが「ろれつが回ってない」って言うんでね。かかりつけの医者に電話したら、まあ脳だろうと。近くの総合病院で、CT(コンピューター断層撮影)で「ここです」ってすぐ分かって、そのまま入院。出血はもう止まっていて、2週間で退院できた。最初の処置は極めてよく、軽くすんだわけですよ。

 でも左の脳なので(後遺症が)右に来たんだけど、ろれつが回らないのとね、字が書けないのにはがっくりきたなあ。3カ月くらい家でぼーっとしてたね。サックスもね、舌のこともあるけど、右がまひして体のバランスが崩れてるから。体幹がしっかりしてないと吹けないんだね。

 俺の場合は基礎がなかったから。最初からインチキだから。基礎がないところに砂上の楼閣を建てて、演奏しながら基礎をつくっていくようなことをずっと四十何年やってきた。それはそれで自分としてはうまくいってたんだけど、突然「どうやって吹くんだっけ?」って。振り出しに戻る、てなもんでね。

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