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【富坂聰 真・人民日報】米中貿易摩擦、ほんの小手試し? “本丸”は最先端技術をめぐる攻防か (1/2ページ)

 米中の貿易不均衡問題がメディアで熱を帯びた今春。私はそれが中国のダメージになることはない、と断じた。

 理由は当時の原稿にも書いたように中国が対米関係で警戒している本丸ではないからだ。

 では何が本丸なのか。春に書いた原稿ですでに予告しているので、その部分を以下に引用しよう。

 〈いうまでもなく最先端の技術をめぐる攻防である。

 電子商取引の分野で世界を分割する勢いのアマゾンとアリババはいずれぶつかるだろうし、いずれ中国は航空機の分野にも参入するだろう。AIの分野での人材の引き抜き、大学のブランド化でも対決は不可避だ。

 そんな未来を考えれば、米中貿易摩擦など、ほんの小手試しということだ〉

 いま米中の関係は大きな転換点に差し掛かり、緊迫している。

 なぜかといえば、前述したようにトランプ政権の攻撃目標が、いま、見事に中国が警戒する分野に向けられ始めたからである。

 単なる貿易黒字の問題であれば中国にも言い分はある。対米黒字の中身の多くが米系企業や日本などが中国に出した工場からの輸出であるからだ。

 だがいま、米国側からもこうした説明の声が消えてしまっている。

 未来の世界経済を支配する技術の攻防に視点が移り中国がすでに潜在的ライバルという以上の存在であるということに気付き、同時に米国民もそれを感じ取り、漠然とだが対中警戒というべき空気を醸成し始めているからだ。

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