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【富坂聰 真・人民日報】米中攻防は日本の好機、中国の対日依存度強めるべきだ (1/2ページ)

 米中経済戦争はどこに向かうのか。

 前回に続いてこのテーマを考えてみたい。

 すでに書いたように技術の上流にあるアメリカに対して不利な戦いが予測される中国の苦戦は必至だが、アメリカとて中国を潰すことが目的ではない。

 中国への関税制裁によってアメリカの輸入コストが増大し、消費者に対する大きな影響が出ることは巷間(こうかん)指摘されている通りである。

 米中経済は決してゼロサムで考えることのできる関係ではない。

 では、アメリカの攻撃は主にどこに向けられるのだろうか。

 最も考えられるのが金融界への攻勢だろう。金融市場のスピード開放であろう。

 中国の銀行は、国内ではアリペイやウィチャットペイに圧されて前途多難と陰口をたたかれているが、世界的に見ればとんでもない富の集積をしている。

 中国の四大商業銀行は、フォーブスが毎年発表する世界トップ2000社でもトップテンの常連である。

 だが、その企業規模とは裏腹に金融機関としての強さは備えておらず、肉食獣が歩き回る世界では、囲いによって守られた空間で草をはむ草食動物に過ぎない。

 つまり、囲いという保護が取られた瞬間に欧米の金融機関という肉食獣に飛びかかられ、あっというまに原形をとどめられなくなると予測されるのだ。

 バブル経済の時期に、世界のトップバンクランキングで、トップテンの半分以上を独占していたかつての日本の都市銀行が、金融自由化とともに1つ消え、2つ消え、というように合従連衡の波にもまれ、現在のような形に落ち着くまで混乱したことを思い出さざるを得ないのだ。

 当時、欧米金融機関やファンドの肉食ぶりに「ハゲタカ」という言葉が流行したのは記憶に新しい。

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