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【高橋洋一 日本の解き方】日銀資産GDP超えは問題か 金融機関のビジネスの観点でコメントする民間エコノミスト (1/2ページ)

 日銀が保有する国債が初めて名目国内総生産(GDP)を超えたと報じられた。将来の資産縮小が困難になるとの見方もあるようだ。

 マスコミ報道は、コメントしている人の見識と、それを掲載するメディアの見識をよく表す。この報道は、民間金融機関のエコノミストが金融政策の意味を理解していないことと、それを批判なしで報道するマスコミも同様に無理解であることが明らかになったといえる。

 本コラムで再三述べているように、金融政策は雇用政策である。雇用の確保では、失業率の低下を目指すことも当然含まれているので、雇用の確保とインフレ率上昇は同時並行的になる。というわけで、1つだけ経済指標を目標とするなら、インフレ率でもいい。

 こうして、金融政策の目標としてインフレ目標がある。あえていえば、失業率の低下を追求しすぎて高いインフレ率にならないようにインフレ目標があるといってもいい。

 こうした金融政策の基本的な理解があれば、中央銀行の資産とGDPを比較することに何の意味もないことが分かるはずだ。ちなみに、中央銀行の貸借対照表の負債サイドは、マネタリーベース(中銀が供給する通貨)であるが、そのGDP比には意味がない。どの程度社会がマネーを求めるかは、マネーの電子化など経済社会構造の違いや慣行によって国ごとに全く異なるためだ。

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