記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】紙幣偽造少なく現金を信頼…日本遅れるキャッシュレス化、便利さに慣れれば進むはず (1/2ページ)

 日本は現金社会だとよくいわれている。クレジットカードの手数料や、電子マネーの乱立などの問題も指摘されているが、キャッシュレス化が遅れている背景はなにか。

 最も基礎的なリテール決済手段ともいえる現金(紙幣+コイン)について、その流通残高の対名目国内総生産(GDP)比率を各国ごとに見てみよう。

 ここでは国際決済銀行(BIS)統計で比較可能な国・地域であるオーストラリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、中国、ユーロ圏、フランス、ドイツ、香港、インド、イタリア、日本、韓国、メキシコ、オランダ、ロシア、サウジアラビア、シンガポール、南アフリカ、スウェーデン、スイス、トルコ、英国、米国を対象とする。

 2016年の数字を見ると、日本が19・96%と最も高い。各国の平均は8・95%だった。他の主要国では、カナダ4・16%、ユーロ圏10・71%、韓国5・94%、英国3・91%、米国8・10%だった。最も低かったのはキャッシュレス化が急速に進行しているスウェーデンの1・42%だ。

 筆者のこれまでの経験に照らしても、日本は間違いなく先進国で一番キャッシュレス化が遅れている国だ。

 現金流通残高が大きい日本であるが、額面金額別にみると、最高額面紙幣である1万円の割合が他国と比較して圧倒的に高い。現金の価値貯蔵機能、俗にいう「タンス預金」に使われているとみられる。日本の治安が良いことや、紙幣の偽造が少ないこととも関係している。

関連ニュース