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【日本の元気】台風被害に思う「災害予報士」の養成 社会的影響の予測、伝え方・表現の習熟を (1/2ページ)

 台風21号が多大な被害をもたらした。関西国際空港が受けた被害を筆頭に関西経済への打撃ははかりしれない。

 関空では職員を含めて5000人が身動きできなくなったが、「なぜ!」と思わずにいられなかった。3000人もの利用客を、なぜ台風襲来の当日に空港に留めたのか。巨大台風の直撃による大きな高潮と強風への注意喚起が出ていたにもかかわらず、想定される事態や被害をイメージできなかったからだろう。

 それは、多発するようになった気象災害に共通している。人は、災害の直前の警告をわが身にふりかかることとは受けとめない。未来に対して楽観的な予想のもとに生きているからだ。悲観的な予想しかしない存在ならば、人類は今日の繁栄はなかっただろう。そういう「人」に、「悲観的な明日」を認識させるには、気象予報も報道も、「人」の根源であり利点である未来観を覆す努力が必要なのだ。そのような予報、報道がなされていれば、3000人もが孤立することはなかったはずだ。

 2016年の台風10号による洪水で高齢者施設の9人が亡くなった岩手県岩泉町。昨年7月、死者・行方不明者32人を出した九州北部豪雨で被害が大きかった福岡県朝倉市。死者・行方不明者220人を出した今年6月末~7月上旬の西日本豪雨で大規模洪水に見舞われた岡山県倉敷市真備町。私は、それらの現場取材で、「自分のところは大丈夫だと思っていた」と同じ言葉を聞いた。「未来を楽観的にとらえる」人間ならではの発言だ。

 では、台風情報を出す気象庁は、台風の規模を、どのように表現しているのか。台風は、最大風速による「強さ」の階級があり、「強い(33-44メートル/秒以上)」「非常に強い(44-54メートル/秒以上)」「猛列な(54メートル/秒以上)」の3段階がある。大きさの等級では風速15メートル/秒以上の半径によって、「大型(大きい=500キロ以上800キロ未満)」と「超大型(非常に大きい=半径800キロ以上)」の2階級だ。

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