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【高橋洋一 日本の解き方】池上彰氏番組の「識者取材」問題…筆者が体験した事例はこうだ クレジットの明示が解決策に (1/2ページ)

 ジャーナリストの池上彰氏の番組制作をめぐり、インターネット上で話題になっている。

 元通産官僚で徳島文理大学教授の八幡和郎氏が、かつて池上氏の番組スタッフから取材を受けたが、池上氏の意見として紹介したいと言われたとフェイスブックで明かした。

 筆者もこれを受けて「似た経験がある」とツイートした。筆者以外にも、同様な経験があると表明している人が相次いでいる。

 筆者の経験をいうと、かなり以前の話であるが、池上氏がやっていたあるラジオ番組にゲストとして呼ばれた後、取材として話を聞かせてくれということだった。それで、筆者はまたゲスト出演かと思い取材協力したが、別のテレビ番組で取材内容を使いたいというもので、筆者のゲスト出演はなく、取材に協力したのに残念に思った。

 一般論であるが、「識者」といわれる人は学者や専門家である。学者の場合、意見は論文や本で表明する。学位を取得するような著作では、自分のオリジナルな意見と他人の意見の引用は厳格に区別される。

 一般向け書籍では少し勝手が違うが、筆者の場合、基本的には教科書にあるような基本理論から導きだされるものだけを書くようにしている。そうすれば、一般読者の理解も得やすいし、論文を引用する煩わしさもなくなって一石二鳥だからだ。

 「ジャーナリスト」を称する人は、取材をベースとして意見を述べるが、「自分の意見」と「取材によって得た意見」の差がかなり曖昧だという印象を受ける。しばしば取材源の秘匿を主張するが、それは取材対象者が主張した場合のみに許されることであり、取材先を明らかにできないのなら客観的な検証はできないというのが一般的な感覚ではないか。

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