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【国防最前線】「商品説明」が不十分…「イージス・アショア」の必要性とは? (1/2ページ)

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 地上配備型ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」は、なぜ必要なのか? という疑問をよく聞く。これは日本人が「イージス・アショア保険」に入るかどうかの判断だと思う。それを決めるための「商品説明」が不十分で曖昧なことと、お金がかかりすぎることが、決めかねる大きな要因になっているのではないだろうか。

 6月の米朝首脳会談後、菅義偉官房長官は「日本にいつミサイルが向かってくるか分からない状況は明らかになくなった」と語った。このため、自治体が予定していた住民避難訓練は軒並み中止になった。イージス艦による警戒・監視活動も、日本海での24時間体制から兆候があれば即応できるように緩和された。中国や四国、北海道に展開していた、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)部隊も撤収した。

 それゆえ、「イージス・アショア導入は矛盾している」という話が言われたようだ。

 だが、撤収したPAC3は、2016年に北朝鮮のミサイルが通過する危険があるとして展開した地域のものであり、PAC3自体がなくなったわけではない。

 イージス・アショア導入には「巡航ミサイルにも対処可能」という説明が付いていることがある。巡航ミサイルで日本を狙える国とは中国のことである。つまり、イージス・アショアは対北朝鮮というより、対中国としての必要性が高い。

 これは防衛・安全保障の関係者には、当初から分かりきっていたことだ。政府側から「北朝鮮の脅威」ばかり説明されていたため、米朝会談後の融和ムードで、納税者には理解できなくなっている。また、中国を脅威対象とみることには反発も多く、実際に「中国を対象にしていると思われてはいけない」という理由で配備反対を訴えるメディアもある。