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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】加入したからといって安心できない!? 損害をカバーしてくれない地震保険 (2/2ページ)

 民間の保険責任額を超えれば、国が支払うことになっている。しかし1回の地震で政府が支払う再保険金の総額は11兆1268億円で、民間保険責任額と合計した1回の地震等による保険金の総支払限度額は11・3兆円が限度なのだ。

 いままでは総支払限度額が「頭打ち」になることはなかった。だが、もし首都直下型地震や南海トラフ地震のような大規模災害が起きたら、どうなるか分からない。

 いままでの地震保険の最大の支払額は東日本大震災(2011年)が1兆2795億円で最も多かったが、これを大幅に超える可能性が大きい。

 9月に起きた北海道地震(北海道胆振東部地震)では、「被災者生活再建支援法」が適用されて、地震保険のほか、1世帯あたり全壊で最大300万円が支給される。しかし、これでも絶対的に足りないのだ。たとえ地震保険に入っていても、元通りの生活が営めるわけではない。

 北海道南西沖地震(1993年)や阪神・淡路大震災では、住宅が損壊しても住宅ローンの残額だけが残ってしまって、さらに損壊した住宅を建て替えるために再度銀行等から借り入れをするなど、多くの二重ローン債務者が出た。二重ローン問題は重大な社会問題になっているのである。

 ■島村英紀(しまむら・ひでき) 武蔵野学院大学特任教授。1941年、東京都出身。東大理学部卒、東大大学院修了。北海道大教授、北大地震火山研究観測センター長、国立極地研究所所長などを歴任。著書多数。最新刊に『完全解説 日本の火山噴火』(秀和システム)。

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