記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】ノーベル賞受賞・本庶教授「ばらまき」発言のウラ 官僚が研究資金の「選択と集中」できるなんてウソ (2/2ページ)

 基礎研究のように、懐妊期間(研究開発から成果が実を結ぶまでの期間)が長く、大規模で広範囲に行う必要のある投資は、公的部門が主導すべきだ。その場合、投資資金の財源は、税金ではなく、将来に見返りがあることを考えると、国債が適切だ。

 もともと財務省内にもこういう考え方はあった。今こそそれが求められていると思う。そこで筆者は自民党の会合でこの考え方を紹介したのだが、最も抵抗したのは財務省だった。財務省の代理人と思われる学者は、教育や研究開発が社会的な投資であることを認めながらも、「税財源にすべきだ」と、ファイナンス理論や財政理論無視の暴論を展開していた。それに自民党の有力な若手議員も賛同していたのには呆れた。マスコミもその奇妙さを報道しない。

 結局、緊縮財政をやりたい財務省とその走狗である国会議員、学者やマスコミがまともなことを言わないという構図だ。

 ノーベル賞は20~30年も昔の研究成果への褒美である。ここ20年くらい研究開発予算は伸びていない。このままでは、あと10年もすると、日本の自然科学分野のノーベル賞受賞はなくなるだろう。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

関連ニュース