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安倍首相、10%への引き上げ方針表明も… それでも消費増税しない「3つの理由」

 安倍晋三首相は15日の臨時閣議で、消費税率を予定通り2019年10月に10%へ引き上げる方針を表明した。同日の東京株式市場で日経平均株価は423円安と他国の市場に比べても大きく下落。市場関係者の懸念が鮮明に反映された。市場では「それでも増税は回避される」との見方が残っている。

 15日の日経平均の下落率は約1・9%。世界同時株安の震源地である中国・上海総合指数の下落率約1・5%を超えたことでも分かるように、増税は安倍政権にとって深刻な事態を招きかねない。

 第1に、アベノミクスを象徴する円安と株高が、増税により円高株安に逆流する恐れがある。14年に8%に引き上げた際には、日銀が「黒田バズーカ第2弾」で援護射撃したが、現状の日銀は現状維持が精一杯だ。

 第2に外部要因として米中貿易戦争の激化と長期化が見込まれている。菅義偉官房長官は15日、消費税は「リーマン・ショックのようなものがない限り引き上げる」と首相の従来見解を変えず、経済危機時の見直しに含みを残した。

 第3に、増税が必要な理由とされる日本の財政状況だが、国際通貨基金(IMF)の報告書では、日本の負債と資産と差し引きした「純資産」がほぼプラスマイナスゼロ。国債の金利も安定しており、危機的状況とはいえない。

 このままでは在任期間中に2回も消費税率を引き上げたことで安倍政権は後世に名を残すことになってしまうが、それでいいのか。

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