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【富坂聰 真・人民日報】口実に過ぎない“周永康派”批判 ICPO総裁取り調べのウラ事情 (1/2ページ)

 またまた中国から不可解なニュースが飛び込んできた。

 国際刑事警察機構(ICPO)のトップを務めていた中国人が、突然、消息を絶ったというのだ。

 中国赴任経験の長い旧知の記者と、「これまた中国っぽいニュースだ」と笑っていたら、やっぱりというべきか、収賄の容疑で国家監察委員会の取り調べを受けているとの発表があった。

 その人物の名は孟宏偉(64)--。失踪が世界をざわつかせてから10日以上も過ぎてからのことだ。

 中国でいったい何が起きているのか。

 憶測が飛び交う中で飛び出したのが、趙克志国務委員(公安部長)の「周永康(元政治局常務委員)の害毒の影響を一掃する」との発言だ。

 これでメディアは一気に、習近平国家主席による周永康一派の“残党狩り”との解釈に流れていった。

 素直に受け止めれば、そういうことだろう。

 だが、ひっかかるのは孟氏がなぜ習近平が権力を掌握した2012年以降もなお海警局長、ICPO総裁と出世しているのか、という疑問だ。

 さらに不可解なのは、習近平が“康派”とわかっている輩を、今日の今日まで公安という敏感な組織に放置していたのか、ということだ。共産党の権力闘争とは、そんなに甘いものなのだろうか。

 そもそも周永康が退治される過程では、公安は重要なターゲットであった。元組織のトップなのだから当然のこと、特別に力を入れて“浄化”されたはずである。事実、同じく公安副部長であった李東生は、真っ先にターゲットになった。

 なぜ孟だけが生き残りいまになって“康派”を理由に追い詰められるのかということに蓋然性は見いだせない。

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