記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】トランプ氏「FRB批判」の理由 利上げ嫌がる不動産業の感覚、中間選挙前の株安に恨み節も (1/2ページ)

 トランプ米大統領は、株価が急落した際、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げを連日批判した。その意図するところは何か。ある種のパフォーマンスなのだろうか。

 トランプ氏はこれまで政治家や軍人の経験はなく、役人でもなく、不動産業に従事してきた。不動産価格は、理論的には物件の将来収益を金利で割り引くことで求められる。

 こんな式を知らなくても、経験則によって利上げ(金融引き締め)が不動産価格にマイナス効果になることは、不動産業界であれば常識だろう。つまり、トランプ氏の発言は、長年不動産業界にいた感覚から自然に出たと思っている。本コラムの読者であれば、トランプ氏は金融緩和指向であると筆者が書いたことを覚えているだろう。

 また、資産価格は不動産価格と同じ性質があり、米国の株価は大きく低下した。11月の中間選挙を控えて、株価は高いほうがいいに決まっている。選挙民にわかりやすく経済の成果を誇るときには株価が高くなっていれば、説明しやすい。

 この観点からトランプ氏の発言を素直に読むと、中間選挙前になんてことをFRBはしてくれたのかという恨み節もあるだろう。政府としてはうまく経済運営をしてきたが、FRBがへまをして株価が下がったという政治的なメッセージもある。

 これについて、ある新聞では、一連のトランプ氏のツイートについて報じた。その中で、FRBのパウエル議長について「解任するつもりはない。ただ失望しているだけだ」と紹介し、その後に「米大統領にはFRB議長を解任する権限はないとされている」と書いているのだが、これは本当だろうか。

関連ニュース