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【高橋洋一 日本の解き方】トランプ氏「FRB批判」の理由 利上げ嫌がる不動産業の感覚、中間選挙前の株安に恨み節も (2/2ページ)

 やや古いが、1992年の世界銀行の資料に出てくる学者の論文によれば、先進14カ国で、解任権がない国(フランス、ドイツ)、非政策的理由でのみ解任可能の国(オーストラリア、カナダ、日本、英国)、政策的理由などで解任可能の国(ベルギー、デンマーク、イタリア、オランダ、ノルウェー、ニュージーランド、スペイン、米国)となっている。

 これはユーロ誕生前の制度であるが、その後、欧州中央銀行(ECB)ができてユーロ圏の国はそこに統合された。ECB総裁については、業務遂行上、求められる条件を満たせなくなった場合ないしは不正行為により有罪となった場合に解任できるので、政策的理由などで解任可能といえる。

 法律論をいえば、任命権のあるところに解任権があるのは普通だ。米国は、行政府が無条件でFRB総裁を解任できると読める(連邦準備法10条)が、トランプ氏はその意思がないことを明らかにしたのだろう。

 11月の米中間選挙に向けて、女性歌手テイラー・スウィフトが「反トランプ宣言」を行い、若者に影響を与えているとされる。トランプ氏のFRB批判は、選挙での逆風も予想される中、ここで利上げはないだろうという正直な恨み節だったのではないか。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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