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【国難突破】安倍政治“二大国難”対処の死守ラインは「アベノミクス」「外交」「集団的自衛権」 (2/2ページ)

 安倍首相の執念で実現した安全保障法制の集団的自衛権限定容認は、民主主義国家による安全保障連携を推進する土台になっている。安倍首相は、日本とオーストラリア、日本とインドの関係を「事実上の同盟」関係へと昇格させ、日米豪印関係は緊密の度を増し続けている。

 さらに、安倍首相は「自由で開かれたインド太平洋戦略」により、アフリカから米国に及ぶ自由と繁栄の海洋貿易構想を打ち出した。これはドナルド・トランプ米政権も後追いで採用した。

 言うまでもなく、いずれも安倍首相が構想した「中国包囲網」に他ならないが、重要なことは、政治的な盟主が日本でなくなった途端、これらは構想自体立ち消えになることだ。

 中国包囲網を形成する動機が、最も切実なのはわが国だからである。

 安倍外交は、日本が主体的に世界構想を立案し、米国を始め世界がその潮流に乗る初めてのケースだ。だが、それを称賛したり、慶賀している暇はない。日本自身が主体性を維持しない限り、日本は今後、中国の併呑圧力をはね返すことは不可能になるからだ。

 その意味で、首相交代後も、日本がこの構想の盟主であり続けられる政治家を3年で準備するか、安倍院政を敷けなかった場合、日本の命運は風前のともしびとなる。

 これから3年の「政局」は、ここを「第1の勘所」としてもらいたい。

 ■小川榮太郎(おがわ・えいたろう) 文芸評論家。1967年、東京都生まれ。大阪大学文学部卒。埼玉大学大学院修了。国語や文学の衰退など、日本人の精神喪失に対して警鐘を鳴らす。一般社団法人「日本平和学研究所」理事長を務める。第18回正論新風賞を受賞。著書に『天皇の平和 九条の平和-安倍時代の論点』(産経新聞出版)、『徹底検証 安倍政権の功罪』(悟空出版)など多数。

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