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【有本香の以毒制毒】安倍首相は習近平氏に「NOと言える」のか マハティール氏の英断を見習え (2/2ページ)

 ソ連の失敗の要因の1つは、経済運営の失敗にあった。

 衛星国に過度に資金投入したことによる財政圧迫が大きかったが、今の中国もASEANや南アジア、中央アジアなどの周辺国のみならず、アフリカや中南米の国々にまで大枚をバラまいている。

 事実上の軍事拠点を得るため、台湾との国交を断たせるためなど、理由はさまざまあるが、いずれにせよ中国は自らの国力を過信し、国際社会での「ゲーム」を少々急ぎすぎたきらいもある。

 貿易での稼ぎで積み上がった外貨を使えるうちはよかったが、この稼ぎが「貿易戦争」で干上がれば、たちまち不良債権が膨れ上がる。習氏肝いりの巨大経済圏構想「一帯一路」も、このまま拡大すれば、かつてのソ連のように不良債権をため込む要因となろう。

 まさかとは思うが、安倍首相が今回の訪中の手土産に、「一帯一路」の手助けを約束、というような事態にならないか懸念する声も聞かれる。これと関連づけ、12年前の第1次安倍政権が「中国訪問」を皮切りにスタートして短命だったことを引き合いに、「訪中は縁起が良くない」と言う安倍首相支持の識者もいる。

 そんななか、92歳にして政権トップの座に返り咲いたマレーシアのマハティール首相(現在93歳)の英断を伝えるニュースが飛び込んできた。中国政府からの再三の働きかけに反し、自国内にいたウイグル難民を中国へ送還しないことを決めたのだ。

 まさに、「NOと言える」マハティール健在を見せつける朗報だが、わが国の安倍首相はどうか。野党時代から首相となった今も、日本ウイグル国会議員連盟の最高顧問である安倍首相の「NO」と言う力を、今こそ期待したいところである。

 ■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす』(産経新聞出版)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)など多数。

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