記事詳細

【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「爽」》世界自然遺産の知床・ウトロで、「助けきる」ため、住民が“スーパー”な理由 (2/3ページ)

 もともと、この地は道路が寸断されて孤立化を体験してきた。台風などで送電線が切れて停電がよく起きる。胆振東部地震では全道全体がブラックアウトになったが、ウトロでは台風で前日から停電になっていたという。

 観光が主力産業であるウトロにはホテル旅館が15軒ある。地震の当日、停電が長引くことを見越し、旅館組合が協力して風呂を住民に開放することになった。ただ、停電のためそれを伝える手段がない。このため、住民をグループ分けして居住地近くのホテルと時間を指定し、ツィッターなどのSNSで広めた。

 同地区の老舗ホテルの経営者でもある桑島繁行・自治会長は「町の広報車で回って伝えるといっても時間がかかる。携帯電話は通じなくなっていたが、微弱電波でも通じたSNSで知り合いから知り合いを通して知らせることができた」と振り返る。

 子どもたちも慣れているため、停電が起きるとすぐに自らヘッドライトをつけるという。ブラックアウトで暗闇に戸惑った札幌市内に居住する記者とは大違いだ。

 住民らの議論は、ウトロ地区の防災計画としてまとめるという。

 内閣府は阪神淡路大震災、東日本大震災で、多くの人が消防や警察の「公助」より、自力や家族や隣人の「自助・共助」で助けられたことから、平成26年4月に災害対策基本法に基づく「地区防災計画制度」を創設。地域に専門家をアドバイザーとして派遣、住民自身が防災計画を作り、市町村の防災計画に盛り込んでもらうとしている。