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安倍首相の訪中に秘められた明確な戦略とは (1/2ページ)

 安倍晋三首相は平成24年12月の首相再登板以降の約6年間で延べ149カ国・地域を訪れたが、中国に2国間の枠組みで赴くのは今回が初めてだ。当初は首脳会談も拒否していた中国が、米国による圧力が通商から人権、安全保障面へと広がる中で手のひらを返すように日本への接近を図ってきたタイミングでの訪問となった。なぜ首相は中国のアプローチに応じたのか。そこには明確な狙いがある。(北京 原川貴郎)

 「日中両国の関係は今まさに新たな段階へと移りつつある。李克強首相とともに関係を大きく前進させていきたい」

 安倍首相は26日午前、北京市の人民大会堂での会談後、共同発表で李氏との連携を強調した。

 李氏も5月の訪日と今回の安倍首相訪中に触れ「両国の政府首脳が半年のうちに相互訪問を実現させたことは、両国人民の中日関係の改善、平和友好の実現、共同発展への期待を示す」と語った。

 2人は25日の非公式晩餐会、26日の昼食会も含め長時間をともにした。安倍首相は伝統的に対日関係を重視する中国共産主義青年団出身の李氏との親密さを強調。米中貿易戦争の影響が中国経済に広がる中、国内では習近平国家主席への批判もあり、中国指導部内で李氏の影響力は相対的に高まっている。安倍首相には習氏の配下にある中国軍の行動を牽制する狙いもあったのだろう。

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