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【高橋洋一 日本の解き方】「三方良し」だった日中会談… 北の非核化や拉致にも言及、中国の人権問題や海洋進出にも釘刺す (1/2ページ)

 安倍晋三首相は、日本の首相として7年ぶりに中国を公式訪問した。両国にとって首脳会談の意義は何だったのか。

 日中会談とともに、注目されたのが500人規模の日本の経済界リーダーが同行したことだ。これに対する中国からの期待が大きかった。他方、日本側の中国でのビジネスチャンスにかける希望にも沿っている。なお、安倍政権内で中国重視派は自民党総裁選で「安倍3選」に大きく貢献したことからも、党内での論功行賞にもなっている。とりあえずは「三方良し」だったのだろう。

 日中会談では、「競争から協調へ」「脅威ではなくパートナー」「自由で公正な貿易体制の発展」とする3つの新たな原則を確認した。

 筆者は、日中会談について、経済分野だけなら、成功とはいいがたいと以前から主張していた。人権と北朝鮮の非核化などの安全保障に関する話がなければいけないという意味だ。

 人権への言及がないと、日本は拉致問題を国際社会で正々堂々といえなくなるからだ。ウイグル問題を名指しはないものの、李克強首相に「中国国内の人権状況について日本を含む国際社会が注視している」と言及があったのはよかった。

 また、安倍首相は、習近平国家主席に対して、北朝鮮の非核化での国連決議の完全履行や拉致問題を説明し、習主席は日本の立場を支持した。

 さらに、日中首脳間で、東シナ海を「平和、協力、友好の海」とする決意を改めて確認したのは、中国の海洋進出に釘を刺した格好だ。もっとも表向きは平和な顔をして、水面下では着々と事を進めるのが外交でもある。中国の南シナ海での既成事実化に対抗して、日本も南シナ海での自由航行を確保していくほかない。

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