記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】消費増税に財界が賛成のワケ 社会保障目的税化は邪道も…保険料は労使折半で企業負担 (2/2ページ)

 保険料を払えない低所得者に対しては税が投入されているが、日本のように社会保険方式といいながら税金が半分近く投入されている国は珍しい。税の投入が多いと、給付と負担が不明確になり、社会保障費がドンドン膨らむ恐れが出てくる。

 こうした社会保障論からみても、消費税を社会保障目的税にするのではなく、保険料で賄うほうが望ましい。

 保険料は、究極の社会保障目的税ともいえる。保険料といっても、その法的性格は税と同じで強制徴収であり、滞納すれば財産没収などの滞納処分を受けるのは世界共通だ。このため、保険料とはいえ、世界では社会保険「税」として、税と同じ扱いである。

 ただ、今の日本は、世界の常識になっている「歳入庁」がないという先進国の中で珍しい存在だ。税・保険料の徴収インフラができていないので、徴収漏れも多く想定されており、これが社会保障の財源不足や不公平感にもつながっている。

 財務省は、社会保障財源の確保について、歳入庁創設による保険料という正道ではなく、消費税の社会保障目的税化という邪道を進めた。

 実は、経済団体が消費増税に賛成している理由についても、鍵はここにある。保険料は労使が折半するので企業負担もあるが、消費税は企業負担がないと経済界は考えて、消費増税に前向きなのだろう。

 その上に、財務省が消費増税と法人税減税のバーターを持ち出すので、さらに経済界は消費増税に前のめりになっている。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

関連ニュース