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【高橋洋一 日本の解き方】入管法改正よりまず賃上げ! 外国人の新たな受け入れは不要 先進国並みの厳格な就労条件を (1/2ページ)

 国会で入国管理法改正案の審議入りをめぐり、議論が行われているが、入管法改正案で人手不足を解消するのは妥当なのだろうか。

 アベノミクスの異次元金融緩和によって、実質金利が相当程度低下し、それが為替の円安と株高をもたらした。と同時に、実質金利低下が継続して、人やモノへの投資も徐々に増加している。

 特に、人への投資は雇用環境の改善という形で顕著になっている。旧民主党政権では減少傾向だった就業者数は安倍晋三政権で反転・増加傾向に転じて300万人程度も増えている。

 失業率もほぼ下限近辺ともいえる2・5%程度まで低下した。このため、名目賃金は上昇傾向を維持している。当初は物価の上昇に遅れて名目賃金が上がるため、実質賃金は低下したが、最近では底を打ち、反転・上昇傾向に転じている。現状は良い雇用環境になった。

 今回の入管法改正案がその良好な雇用環境へどのような影響をもたらすのかは、よくわからない。現在の日本では、留学生アルバイト30万人、技能実習生25万人程度が、「外国人労働者」となっている。先進国では、就学ビザの留学生は原則働けず、労働者でありながら事実上労働基準法を適用しない技能実習生の実態は把握しにくい。

 今回の入管法改正案が、これらの留学生アルバイトや技能実習生に新たな在留資格を与え法的にきちんと認めるということであれば、外国人労働者の総数は変化せず、雇用環境への影響はない。しかし、一部の新聞報道では、初年度に新たに4万人の外国人労働者を受け入れるといい、それが事実なら、雇用環境に悪影響が出るだろう。

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