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【部下がついてくる!「角栄流」上司の心得】不退転の決意と迫力の不可欠 「新幹線9000キロ構想」に断固反対の“親分”に最終決断迫り… (2/2ページ)

 運輸省は実は、この構想では予算計上は無理とみて「3500キロ」の原案をつくっていた。しかし、田中は全国の格差是正の必要性を説いて、運輸官僚を屈服させたのだった。

 「ダメだ。こんなものでは。9000キロだ」

 田中のあまりの迫力に、運輸官僚はぐーの音も出ず、了承するしか術がなかった。田中はすでに各省への説得、根回しも済ませていたから、佐藤も結局、田中構想をのむしかなかった。万全の態勢で臨んでいたのである。

 かつて、福田赳夫元首相は言っていた。

 「角さんとのサシでの話はカンベンしてくれ」

 交渉事などの議論になると常に真剣勝負、すさまじい眼光で迫られると“勝ち目”がないからということのようであった。

 ビジネスマンも、「まあまあ、この辺を落とし所で」などと交渉事に臨むようでは、とても勝ち目はない。まずは不退転の意気込み、迫力が不可欠ということである。=敬称略(政治評論家・小林吉弥)

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