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金の亡者ゴーン容疑者、バレた会社私物化 日産・西川社長「権力の集中が不正を誘引した」

 「断じて容認できる内容ではない」。19日夜に横浜市西区の日産自動車グローバル本社で開かれた記者会見で、西川(さいかわ)広人社長は、カルロス・ゴーン容疑者(64)への権力の集中が誘因した不正に関する「落胆や憤り」を語った。一方、本社の社員のほとんどが「カリスマの不正」は寝耳に水で、衝撃を隠しきれなかった。

 午後10時過ぎに始まった記者会見には西川氏が1人で臨んだ。ゴーン容疑者の不正を横行させた社内の体制について、「猛省すべきだ」と振り返った。「皆様の信頼を大きく裏切ることになってしまったということが大変残念。申し訳ない気持ちでいっぱい」と関係者への謝罪の言葉を口にするとともに「残念という言葉をはるかに超えて、強い憤り、私としては落胆ということ」と強調した。

 問題の経緯について「ガバナンスという観点では課題が多い。ルノーと日産トップ兼任による権力の集中が不正を誘引したと考えられる」とゴーン容疑者の存在感について触れたうえで、「(不正は)長年にわたる権力の集中の負の側面と言わざるを得ない」と語った。

 西川氏は、捜査内容に触れる質問については「お答えできない」と繰り返したが、会見に1人で臨んだ理由について「私の生の言葉でまずはお伝えしたかった」と話し、「時期が来れば調査結果など詳細な説明を行う」と述べた。

 社内の反応について「従業員にとっては『中で一体何が起きてるんだろう』という状態だと思っている。詳細が明らかになるにつれて、いま私が感じているような落胆や憤りが従業員の中にも広がっていくと思う」と西川氏。広報担当者は「私も報道とほとんど同じタイミングで会見を行うことを聞かされ、詳しいことは何もわかっていない」と困惑した様子だった。

 グローバル本社に出入りする人々は一様に顔を下に向け足早に立ち去っていった。若い女性は「報道で知ったくらいで、何もわからないんです。すみません」とだけ言い残すなど報道陣の取材に応対する社員はごく少数で、衝撃の一報に社内は大きく揺らいでいるようだ。

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