記事詳細

【高橋洋一 日本の解き方】中国の日系メーカー調査開始 外資の“技術”奪う4段階の手口 米国が貿易開戦した背景にも (1/2ページ)

 中国商務省がファナックなど日本の工作機械メーカー5社などに対して、反ダンピング(不当廉売)関税を課すかどうかの調査を始めたと報じられた。その背景は何か。日本企業への悪影響の懸念はないのか。

 この記事を読んで、ついに日本企業まで及んできた様子が報道されたと思った。日本企業にも参考となるような事例は、中国に進出した米国系企業に数多くある。ひどいものだが、某米企業は、中国独占禁止当局の捜査官が上海にあるオフィスにやってきて、同社の世界的な研究ネットワークへのパスワードを要求されたという。

 実はこれは、中国が技術を盗み出す手法の一つとされる。今年3月、米通商代表部は、中国の知的財産窃盗問題等に関する調査を発表した。

 それによれば、中国は、米国企業から中国企業への技術移転を進めるために、合弁事業要件、株式制限、投資制限を含む外国による所有制限策を講じ、行政審査などを利用し、技術移転を要求しているとされる。その延長線であるが、重要なデータを中国国内で保管させたりするなど、外国企業の技術を強制的に中国に移すようにしているという。

 その上、裁判所によって米国企業の特許などを無効にする、独禁当局などで外国企業を取り調べる際に技術を盗むことなども行っているようだ。

 これらが、現在「米中貿易戦争」といわれるものの背景にある。本コラムで繰り返して書いているように、単なる米国の対中貿易赤字が問題になっているわけではなく、技術移転に関して中国が不公正であるという認識によるものなのだ。

関連ニュース