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【高橋洋一 日本の解き方】今も残る「ロスジェネ」の苦境…正社員比率や賃金に世代格差 90年代の政策は非難に値する (1/2ページ)

 このところ雇用は急速に改善しているが、デフレやバブル崩壊後の不況で、「就職氷河期世代」と呼ばれた1970年~82年ごろに生まれた人たちの雇用や給与なども改善しているのか。そして、個別の政策的な手当は必要なのだろうか。

 池井戸潤氏の経済小説には、「バブル世代」の半沢直樹と「ロスジェネ(ロスト・ジェネレーション)」の森山雅弘が登場する。そこではロスジェネは厳しい就職戦線を勝ち抜いてきたので、有能な社員として描かれている。

 ただし、就職できなかった人の物語はほとんどないのではないか。筆者の知っているロスジェネには、就職に苦労して非正規の渡りを繰り返して現在に至っている人もいる。

 一般的な人は、日本企業に正規社員で採用されると、当初の給料は低いが、40歳ごろにはそこその水準に上昇することが多い。ところが前述のロスジェネのように最初の就職に失敗すると、この賃金上昇カーブの恩恵を受けられない。

 40代になると、中途採用を受け入れる企業も少ない。一般的な日本企業では、50代前半で賃金はピークになるので、40代は人件費コスト高なのだ。

 ロスジェネの後には、「ゆとり世代」がくる。2002年から10年に改訂されるまでの学習指導要領に基づく「ゆとり教育」を受けた1987~2004年生まれを指す。

 ゆとり世代の前半部分は、リーマン・ショックと民主党時代の雇用政策の無策を受けて、就職はやはり困難だった。しかし、アベノミクスの雇用環境の改善から、かなり救済されている。この点で、ロスジェネとは好対照だ。

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