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【日本の元気 山根一眞】いまだ解決見えず…三陸漁業被災の実態 (1/2ページ)

 小さな漁船に同乗し、宮城県の三陸沿岸海域での漁業作業を見せてもらってきた。

 三陸沿岸は暖流と寒流が出あうため、英国沿岸、米国東海岸と並ぶ世界三大漁場と呼ばれるほど豊かな海とされてきた。その海では、養殖のワカメやコンブ、ホタテがよく育ち、日本一の栄誉を得たこともある。漁獲種も豊富。そのおかげで、三陸の沿岸漁業の漁業者たちは豊かな漁業を営んでいたのだが…。

 東日本大震災の巨大津波による直接的被害は、青森県の一部から千葉県の一部にいたる「沿岸部」に集中した。およそ2万人の死者・行方不明者は、ほぼすべてが「沿岸部」で発生。その沿岸部では人々の「生活」が失われただけでなく、経済基盤である漁業が壊滅した。

 津波で甚大な被害を受けた漁業の復興なしには東日本大震災の復興はあり得ない。だが、「漁業」という基幹産業への関心はそもそも薄く、被害の全貌もほとんど知られていない。原子力災害の深刻さゆえ、メディアの関心も「東日本大震災=原子力災害」に集中してきた感がある。だが、津波でほぼすべての漁港が壊滅、失われた漁船は約2万隻。水揚げした海産物を加工、製品化するための小規模の工場(作業施設)もことごとく消滅したのだ。

 漁村の津波被災支援として私たちが建設した大指(おおざし)十三浜こどもハウス(石巻市北上町十三浜)。先週、その解体工事に立ち合うために大指を再訪。酒と塩をまき安全祈願の後、解体が始まった。「こどもハウス」は、漁業復興に取り組む親たちが海に出たり漁港作業中でも、安心して子供たちを遊ばせておける場として計画。7年間、その役目を十分果たしてくれた。しかし、子供たちの親である漁業者たちは、漁船の購入、作業場の再建、流通の再構築、住宅の再建など、今もとてつもない課題に直面したままだ。

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