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【新・カジノ情報局】若者はどこに? かつてラスベガスと競っていた町「アトランティックシティー」 (2/2ページ)

 バスが来ると老人はヨロヨロと立ち上がり、おぼつかない足取りで乗り込んでいった。ここがカジノでなければ、高齢者施設の送迎バスにしか見えないだろう。

 アトランティックシティーがさびれたというのはある程度は事実だろうと思っていたし、自分の目で現場を見るまで、単に客が減った程度のことだと思っていた。

 だが、事態は深刻だった。かつて若者がひしめいていた町は、今や「老人の海」と化していた。時代や文化を創るのはいつだって若者のはず。そんな若者が町から姿を消したのだ。

 現実を目の当たりにし、ぼくはギャンブルをしに来たことも忘れ、ボードウォークをあてもなく歩いた。

 かつて大勢の人たちで賑わっていたメーンストリートは、老人のほかカモメとリスの遊び場となっていた。老人が投げたお菓子をカモメが取り合いしていた。カモメとカラスの違いを除けば上野公園と変わらない。

 歩くうち、外装が新しいカジノに来た。ここは以前トランプ氏が経営するカジノだったが、数年前に廃業し、今年からハードロックカジノとしてリニューアルオープンしたばかりだった。

 さすがはハードロックカジノである。ドアを開けると、ギンギンのエレキやドラムの激しいリズムが聞こえてきた。明らかに若者向けの曲で今度こそ若者がいるはず…。期待を込めて入っていくと、老人ばかりがスロットをしていた。(作家・松井政就)

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