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【高橋洋一 日本の解き方】法案修正で最悪事態回避も…やはり拙速な入管法改正案 組織変更以外は施行延期を (1/2ページ)

 出入国管理法の改正案が衆院を通過した。与党と日本維新の会の修正案では、新たな外国人受け入れ制度を見直す時期を法施行の「3年後」から「2年後」に短縮する。また、マイナンバーや在留カードの番号を活用して、外国人労働者の実態を把握することも検討するとしている。さらに、政府が今後、産業分野ごとの人材不足の状況を調査するとともに、外国人が就労する地域が大都市圏に集中しすぎない措置を講じる。

 今回の入管法改正は、拙速な政府内検討によるものだった。今年2月20日、経済財政諮問会議で検討され始めた。この種の法改正を行う場合、通常1、2年をかけて検討するが、入管法では、6月15日の「2018骨太方針」に盛り込まれ、超スピードで進んだ。

 しかも、外国人受け入れについて、専門家が十分に検討した形跡がない。実務を行った外国人材の受け入れ・共生のための総合的対応策検討会のメンバーは官僚ばかりだ。

 今年2月のキックオフの際の内閣府のペーパーもお粗末なものだった。少子化で生産年齢人口が減少していることを「人手不足」として、外国人労働者受け入れの理由としているが、本コラムで何度も指摘しているように、少子化の影響は民主党政権でも同じだった。安倍晋三政権になってからの異次元金融緩和が雇用を作ったことを見落としている。

 以前の本コラムで指摘したが、政府が提出した入管法改正案では、受け入れる外国人の上限について歯止めがなく、そのままではせっかく出てきた賃金上昇の流れも腰折れしかねない状況だ。

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