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【編集局から】巨人・高橋監督退任情報の“流出”、著名人の死亡説が“逆流” 情報扱うプロ「報道機関」の失態に…

 「人の口に戸は立てられぬ」とは言いますが、情報を扱うプロであるはずの報道機関で今秋、失態が相次ぎました。

 10月3日に巨人・山口オーナーが担当記者を集め、高橋監督(当時)の退任を発表。その場で情報解禁は翌朝5時との約束が交わされました。通信社は翌日の朝刊に間に合うよう事前に配信しましたが、記事を閲覧できる加盟社の中から、一部スポーツ紙の巨人担当でもない門外漢が解禁の注記も見ずにツイート。一斉に拡散して球団側にも問い合わせが殺到したため、公式発表は同夜に前倒しを迫られました。

 また、報道機関は不謹慎ながら高齢の著名人の多くに「死亡予定稿」を用意しています。もちろん生前に表に出すのは厳禁ですが、通信社発の某大物の予定稿を巡り一部地方紙が過剰反応。尾ひれ羽ひれがついて、死亡説が東京に“逆流”する現象が起きました。

 こうした“事故”の先には取り返しのつかない事態が待っています。たとえば誘拐事件では人質の安全を最優先に、報道機関は警察から逐一情報を得る代わり、解決まで一切の報道を控えます。この「報道協定」を不心得なメディア関係者が破り、軽率なツイートでもしようものなら…と身震いします。特別な情報にアクセスできる権利と責任は表裏一体、と自戒を込めつつ。(運動部巨人担当・笹森倫)