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【高橋洋一 日本の解き方】政府「中国通信企業排除」は既定路線 米中貿易戦争のウラに安全保障問題 (2/2ページ)

 ファーウェイ製品に関しても同月、ZTEとともに米軍での販売・使用の禁止が出された。その流れの中で、今回のファーウェイ副会長の逮捕となっている。

 ファーウェイ創業者である任正非氏は中国人民解放軍出身の技術者である。今回逮捕されたのは、創業者の娘である。中国にはレノボグループやハイアールグループらの企業でも人民解放軍出身者が多く、中国政府との関係は深いとされている。また、中国の国内法では、中国政府の求めにより企業には治安当局への協力と支援の義務がある。

 しばしば、米中貿易戦争は、貿易不均衡が理由だといわれるが、筆者には、経済問題である貿易不均衡は単なる口実にみえる。背景にあるのは安全保障上の問題であり、それを「知的財産の収奪」や「強制的技術移転」と表現しているという印象だ。例えば、9月の日米首脳会談の共同声明においても、中国への名指しはなかったものの、こうした表現が盛り込まれていた。その観点からすると、今回の日本の措置は既定路線であった。

 ただ、今回中国側がやったと疑われていることは、実は既に米国もやっていると指摘されている。これは元中央情報局(CIA)職員のエドワード・スノーデン氏の暴露でも明らかにされた。米国は、安全保障分野では他国には同じことをさせず常にリードを保ちたい国だ。だから米中貿易戦争は、そう簡単に終わらない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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