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【高橋洋一 日本の解き方】日本の労働生産性が低いワケ 国際比較、G7では最下位 (2/2ページ)

 こうした動きをもっとも説得的に説明するのが、マネーの動きである。日本だけが90年を境として、急激に落ち込んでいる。これでデフレに成ったというのが筆者の見立てである。その結果、実質成長率もインフレ率の下落と相殺し名目GDPが横ばいで、その結果として税収も伸びずに財政支出も伸ばせなかったというのが実態だろう。

 マネーの縮小と理論的に整合的なのが円高傾向である。日本のマネーの相対的な減少が他国通貨に対して希少価値が出て円高になったからだ。そうなると、ドル建ての名目GDPは横ばいとはならず、若干の上昇傾向である。それでも、他の先進国よりは見劣りする。

 いずれにしても、90年以降のデフレによる日本の名目GDPの停滞が、日本の労働生産性が低い最大の要因である。

 これは、日本生産性本部の資料で「米国と比較した日本の労働生産性水準」からわかる。米国を100とする日本の就業者1人当たりの労働生産性の数字をみると、1970年は48・8、80年は64・2、90年は76・5、2000年は70・5、10年は66・0、17年は66・1だ。

 1990年までは猛烈にキャッチアップしていたが、その後は勢いがなくなり、逆に格差を広げられている。その中には「アベノミクス以降(2012年以降)では、米国との格差が縮小に転じている」とも書かれている。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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