記事詳細

ゴーン容疑者無罪主張 逮捕後初めて公の場に

 日産自動車の前会長、カルロス・ゴーン容疑者(64)が私的な投資の損失を日産に付け替えたなどとされる特別背任事件で、ゴーン容疑者の勾留理由開示手続きが8日午前、東京地裁(多田裕一裁判官)で行われた。ゴーン容疑者は英語で「日産に損害を与えていない」と述べ、無罪を主張した。ゴーン容疑者が公の場に姿を現すのは、昨年11月19日の最初の逮捕以来、50日ぶり。

 ダークスーツ姿で出廷したゴーン容疑者は冒頭、「容疑は、いわれのないものであることを明らかにしたい」と発言。損失の付け替えについて「日産に損害を与えていない」と述べ、特別背任罪には該当しないとの認識を示した。

 また「日産に対し、心からの親愛と感謝の気持ちを持っている。日産のために全力を尽くして、公明正大かつ合法的に社内の所管部署から必要な承認を得た上で、合法的に業務を進めてきた。もっとも尊敬される企業の地位を回復させるため、ひたすら目指してきた」と述べた。

 勾留理由開示は裁判所が勾留を認めた理由を公開の法廷で説明する手続き。容疑者や弁護人が出廷し、意見を述べることができる。弁護側は手続き終了後、地裁に勾留の取り消しを請求する方針。

 ゴーン容疑者は平成20年10月、自身の資産管理会社と新生銀行との間で契約した通貨のデリバティブ(金融派生商品)取引で生じた約18億5千万円の評価損を日産に付け替えたとして昨年12月21日に再逮捕された。

 さらに契約を戻す際、信用保証に協力したサウジアラビアの実業家、ハリド・ジュファリ氏の会社に21~24年、日産子会社から計1470万ドル(現在のレートで約16億円)を入金させた疑いがある。

 ゴーン容疑者は側近で前代表取締役のグレゴリー・ケリー被告(62)=金融商品取引法違反罪で起訴=と共謀し、22~26年度のゴーン容疑者の報酬を約48億円過少に有価証券報告書に記載したとして金商法違反容疑で昨年11月19日に逮捕され、12月10日には直近3年分で約42億円を過少に記載したとして再逮捕された。(産経新聞)