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【富坂聰 真・人民日報】米中対立の最大受益者は日本か? 尖閣、経済で対日姿勢軟化の兆候 (1/2ページ)

 この連載のなかでも繰り返し触れてきたことだが、米中の対立は、見方によっては日本にとっての大きなチャンスにもなりうる。

 なかでも、より強く指摘してきたのが、アメリカとの対立が激化するなかでは、中国が自らの正当性を主張しなければならず、その意味でも市場の対外開放を進めようとしたり、外の商習慣との齟齬を調整しようとする可能性である。

 実は、中国の中央政府にとっても、面従腹背の地方政府や党の干渉を嫌う国有大企業などを制御する視点からも、アメリカという“外圧”を利用する利点はある。

 極端な例を挙げれば、生産性が低いにもかかわらず公害だけをまき散らすような企業なのに、地元との癒着が強く、メスを入れにくかったような企業をターゲットに、一網打尽にする口実にも利用できるからだ。

 いずれにしても、どうせアメリカへの対策が必要であれば、この際、一気に体質を変えようと考え動くのが、中国的な発想だ。

 しつこいようだが、この変化の最大の受益者となる可能性が日本にはあるのだ。

 そして予告通り、そうした兆候が次々に中国から発信されている。

 昨年12月23日には、時事通信社が以下のような記事を配信している。〈中国、強制技術移転を禁止=対米譲歩、法制化に着手〉

 意図は明らかだが、記事のなかからわかりやすい部分を抜粋して内容を説明すれば、中国が〈外国企業に技術移転を強要することを禁止する法律の制定に着手〉したということだ。

 それは、〈米国との貿易戦争の早期終結を目指し、トランプ米政権の要請に応じて知的財産権の保護を強化する〉目的だという。そして、法制化の恩恵は、〈米企業だけでなく、日本企業も恩恵を受け、中国のビジネス環境改善につながりそうだ〉というから願ってもないことだ。

 しかも米中関係は冷え込んだ環境であるから、実績作りの対象として日系企業が期待されるのである。

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