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【大前研一 大前研一のニュース時評】カネを出しても国連への影響力が少ない日本…そのワケは? (1/3ページ)

 国連は先月22日、2019-21年の国連通常予算の国別分担率を定める決議案を総会で採決した。分担率は各国の国民総所得(GNI)などの経済指標をもとに算定し、3年に1回改定している。1人あたりのGNIが小さい途上国は負担が軽減され、その分、経済力のある国が負担する。

 この通常予算の国別分担率の1位は米国の22%、2位は急速な経済成長を遂げる中国の12%、日本は8・5%で3位だった。日本は1980年代から保ってきた2位の座から陥落し、中国に4ポイントも差がつけられた。

 予算面で存在感が低下すると、発言力の低下につながる懸念を抱く人も多い。しかし、これを機に経済力だけに頼る外交から脱皮すればいい。

 実は国連については、分担金よりも重要な数字がある。各国の国連事務局職員数は、米国、ドイツ、フランス、イタリア…ときて、日本は9位だ。職員数は第二次世界大戦の戦勝国が多いと思いきや、ドイツもイタリアもトップ4に入っている。これまで日本は分不相応のカネで国連を支援してきたが、人材の支援はまったく足りていないのだ。国連職員は所得税が免除されるなどメリットが多い。先を競ってその職を求めるのかと思いきや、日本からは志願する人がさっぱり出てこない。

 だから、カネをいくら出しても国連への影響力が少ないのだ。日本は国連安全保障理事会の常任理事国にドイツ、インド、ブラジルなどを誘って何回も立候補しているが、まったく通らない。中国やロシアに拒否権を使われるからだが、その対抗工作もできていない。

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