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【高橋洋一 日本の解き方】大阪府の財政再建巡る論争 地方の「赤字債」増加の裏に国の借金を形式上肩代わり (1/2ページ)

 臨時財政対策債(臨財債)という地方自治体関係者しか知らなかった用語が話題だ。発行額が過去最大を更新したとも報じられている。

 臨財債が世間にも知られるようになったのは、橋下徹・前大阪市長の貢献が大きい。

 橋下氏が大阪府知事になった2008年以降、大阪の復活ぶりは各種の経済指標からも確認できる。企業収益、雇用、年収、健康、学力、犯罪などほとんどの指標で改善している。

 府政を批判する人たちは、府の負債残高が増えていることを問題視した。そこで橋下氏は、「臨財債を除くと減少している」と反論し、臨財債が注目されたのだ。

 この仕組みは01年に遡(さかのぼ)る。その当時、国の地方自治関係の借金が約50兆円あった。交付税交付金で地方自治体に払った分と、交付税交付金の原資となる主要国税の3分の1の収入との差額であり、その分は国の交付税特別会計の借入金として処理されていたものだ。

 その国の借金を地方自治体の借金(臨財債)で肩代わりすることとなった。形式的には自治体の債務だが、国に交付税措置義務があるので実質的には国の債務である。

 肩代わりは順次行われているので、各地方自治体の臨財債は増加し、総額50兆円程度になるのは当然のことだ。これを、地方自治体で赤字債が増えていると報道するのは、ミスリーディングである。

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