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【高橋洋一 日本の解き方】混迷深める英国のEU離脱 「リーマン級」打撃に現実味…日本も政策総動員で備えを (2/2ページ)

 英政府は、その場合、国内総生産(GDP)を8・0~10・7%押し下げるという予測を昨年11月に出した。イングランド銀行は3~8%、国際通貨基金(IMF)は5~8%のマイナス効果になるとみている。

 具体的には、製造業で欧州から受け入れてきた労働者が不足して生産不足に陥る可能性が高い。金融業でも、適用ルールの不明確さから企業活動に混乱が生じかねない。こうした「合意なき離脱」による経済活動への悪影響はいうまでもなく計り知れない。EU側で、離脱の期日延期が検討されていると報じられているのもこのためだろう。

 筆者は、かつての本コラムで、英国のEU離脱は、世界経済にリーマン・ショック級の影響を与える可能性があると書いている。その当時は「合意ある離脱」が前提であり、英国政府の予測ではGDPに与える悪影響は、3・6~6・0%であった。今は、「合意なき離脱」を覚悟せざるを得ない状態であり、そのインパクトは2倍程度だろう。であれば、まさに、リーマン・ショック級になるのは避けられない。

 日本として政策総動員を準備すべきだ。実際のリーマン・ショック時は、「ハチに刺された程度」と楽観視し適切な政策が打てずに、大混乱したことを忘れてはいけない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

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