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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「春」》日露首脳会談…北方領土解決は桜の花が咲く前に… (2/2ページ)

 北海道に赴任して北方領土の国後や色丹、択捉にビザなし交流や墓参に4回訪れた。択捉でのことだ。1人のロシア人男性が元島民の女性にタッパに入った桜の花を渡した。

 6月中旬だった。温度が低い択捉では、桜がまだ咲いているのだ。

 「訪問団の中で1番長老に見え、尊敬の念を表した」という。

 ロシア人が渡した桜はおそらくチシマザクラだろう。明治時代、国後島から根室市に移植され、今も市内の清隆寺の境内で、日本一遅い桜として、美しい花をつける。元島民と島に住むロシア人との間を結んだ桜。ロシア人も元島民も桜の美しさを愛でる心に違いはない。

 日露首脳会談が22日に終了した。期待された北方領土返還について進展はなかった。共同経済活動の推進といった、実(じつ)がいまだ見えないものではなく、心ある解決の方向性を、チシマザクラが咲く前に、願わくば見せてほしい。雪で閉ざされた札幌の地で切に思った。(杉)

 【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。1月のお題は「春」です。