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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】地震もないのに大津波が襲ってくる恐怖 日本でも過去に被害 (1/2ページ)

 先週、原子力規制委員会は関西電力に「津波警報が出ないのに福井県・高浜原発が津波に襲われた場合」の影響評価を報告するよう求めた。

 いままでは、原子力発電所は津波警報を受けて水門を閉めることになっていた。だが、それでは間に合わない事態が起きる可能性があるからだ。

 これはインドネシアでさる12月に起きた津波を見てのものだ。そのときに地震はなかった。しかし大津波が襲ってきて400人以上が死亡、1万6000人が避難する騒ぎが起きた。夜だし、雨期で火山は雲に隠れていた。

 大地震があれば、やがて津波が来るかもしれない。だが、地震もないのに、いきなり大津波が襲って来るというのは、地元の人々にとって恐ろしい体験だった。

 津波の原因はクラカタウ火山の噴火による海底の地滑りだった。これに新月による大潮が重なって大津波が起きたのだ。

 日本でも火山からの地滑りで津波で大きな被害を生んだことがある。たとえば1792年には、九州・雲仙岳で眉山が山体崩壊を起こして有明海に流れ込み、対岸の別の藩・肥後を含めて1万5000人もの犠牲者が生じた。「島原大変・肥後迷惑」といわれ、日本史上最大の被害を生んだ火山災害になった。

 また1741年には北海道・渡島大島が噴火して山体崩壊した体積は1億立方メートルを超えた。それが海に流れ込んで、対岸の渡島半島で1500人近い犠牲者を生むなど大災害を起こしたこともある。対岸にある寺の過去帳で、まだ名前がついていない「幼女」の多数が記録されていたのを憶えている。

 このように、海中や海際の火山が噴火して山体崩壊を起こすと、大きな津波を起こすことがある。2011年の東日本大震災のときは、仙台空港で地震の約1時間あとに地震による大津波が襲ってきた。しかし、いきなり大津波が襲って来るというのが火山が起こす津波の恐ろしいところだ。

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