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【有本香の以毒制毒】右も左もスルーして北方領土問題の解決を まずは「2島」で手を打ち、捲土重来に備えよ (2/2ページ)

 先の大戦終戦の間際に、当時のソビエト連邦が不可侵条約を破って参戦し、北方領土は奪われた。この史実を知る日本国民が、ロシアへの譲歩である「2島返還」を受け入れ難いのは当然である。

 しかし、終戦から70年以上、北方領土はロシアに占拠され続け、今日一人の日本人も住んでいないという現実をも見ざるを得ない。このまま戦後100年ともなれば、4島はロシア領として定着するだけ。このことをも多くの国民が理解している。

 まずは「2島」で手を打ち、憲法改正など国内の体制整備を行いながら捲土(けんど)重来に備えることが賢明な策である。さもなければ、90年代~2000年代初頭、取り返せたはずの2島すら取れなかった、あの失敗の二の舞いを演ずることとなる。

 01年3月、当時の森喜朗首相が、ロシア・イルクーツクで、ウラジーミル・プーチン大統領と合意文書を交わした際、安倍首相は官房副長官として森氏の側近だった。だが、この前月に起きた「えひめ丸事件」での支持率低下が影響し、森内閣は4月に総退陣、北方領土問題進展は水泡に帰した。

 このときからの積年の思いとともに、安倍首相はいまこそ果断に、2島を取り戻すべきである。

 ■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす』(産経新聞出版)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』(産経新聞出版)など多数。

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