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【部下がついてくる!「角栄流」上司の心得】弱さも見せる…強いばかりが男じゃない! (1/2ページ)

★「親分力」の磨き方(2)

 常に自信たっぷり、鼻の穴をふくらませ、空を仰いでいる上司がいる。部下の指摘、助言などはもってのほか、沽券(こけん)にかかわるので聞く耳を持たないのである。素直さに欠けるのだ。素直さはまた、部下から慕われる「親分力」の大きな要因になる。田中角栄には、こんな泣かせる事例がある。

 田中が脳梗塞を発症、倒れる前年(1984年)の話である。ロッキード裁判もあり、田中のいらだちはピークに達していた。酒量も増え、なり振り構わぬ田中派の膨張策に躍起の最中である。

 そんなある日、田中が事務所で真っ昼間からオールドパーの水割りをあおっているところに、田中派幹部で、何かと一家言ありの硬骨漢、「タムゲン」こと田村元がぶらりとやってきて言った。

 「角さん、あんた刑事被告人として派閥膨張策に邁進(まいしん)しているのは、どんなものですか。国民、裁判所の印象も良くないし、控えた方が得策ではと思うが…」

 これを耳にした田中の顔色は一変、「なにィ」と言うやいなや、テーブルの上にあったマッチ箱を田村に投げつけたのだった。マッチ箱は田村の顔に当たり、それを拾った田村が投げ返して、これが田中の顔面に当たるといった、まさに取っ組み合いでも始まるかのような一触即発状態に陥ったのである。田村は「帰るッ」と一言、事務所を後にしたのだった。

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