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【有本香の以毒制毒】細野豪志氏の自民党二階派入り… 「獅子身中の某」増やす自民党の“悪癖”は健在か (2/2ページ)

 「自民党と大差ありません。安全保障は現実的に考えなくてはなりませんから」

 この無責任極まる軽い言葉と、それを口にする細野氏の軽薄そのものといった表情を見て、筆者はあきれを通り越し、気分が悪くなったものだ。

 民主党が泥舟だと分かると、仲間に内緒でいち早く逃げ出し、静岡県知事に転身しようとするもかなわず。となると、小池氏の手先となって、国の安全保障に関する前言を容易に翻し、かつての仲間の品定めをする。

 芥川龍之介の短編『蜘蛛の糸』の主人公「カンダタ」を思わすこの人物を「二階派」はなぜいま迎え入れるのか。

 自民党関係者は言う。

 「一票要員だよ。憲法改正のために1人でも多く確保する必要がある」

 昨年来、憲法改正を大義名分に、旧民進党「保守系」議員を一会派にまとめ、自民党と連携させようとの工作が進められていたことは確かだ。だが、そこでネックになっていたのも細野氏だった。彼がいる限り、まとまるものもまとまらないと、当事者の1人が苦笑交じりに筆者に明かしていた。

 そんな細野氏を、二階派が迎える理由の1つは選挙区事情にもあろう。細野氏の選挙区は、たまさか筆者の育った静岡県東部だが、20年近く前、落下傘としてここから出た細野氏は選挙にはめっぽう強く、自民党は毎度完敗してきた。

 「理念は大事だが、政治は現実」「憲法改正は重要で、選挙もまた重要」

 永田町人種のこうした訳知り言葉や理屈が、最も大事な国民の目にどう映るか。ここを見誤ると、かつての「自民党」離れの二の舞いを演じる流れにも繋がりかねない。たかだか、一議員の去就。しかしそれは、巨大与党を試す一本の細い蜘蛛の糸なのかもしれない。

 ■有本香(ありもと・かおり) ジャーナリスト。1962年、奈良市生まれ。東京外国語大学卒業。旅行雑誌の編集長や企業広報を経て独立。国際関係や、日本の政治をテーマに取材・執筆活動を行う。著書・共著に『中国の「日本買収」計画』(ワック)、『リベラルの中国認識が日本を滅ぼす』(産経新聞出版)、『「小池劇場」の真実』(幻冬舎文庫)、『「日本国紀」の副読本 学校が教えない日本史』(産経新聞出版)など多数。

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