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【高橋洋一 日本の解き方】実質賃金「参考値」で騒ぐ野党 政府の隠蔽でなく計算も可能、大きな差違はないのが実態 (1/2ページ)

 毎月勤労統計調査の2018年の実質賃金をめぐり、野党や一部メディアは、「公表値」だけでなく「参考値」を算出すればマイナスになるとして、公表を求めている。

 今回の問題を改めて整理してみよう。毎月勤労統計において、(1)全数調査するとしていたところを一部抽出調査で行っていたこと(2)統計的処理として復元すべきところを復元しなかったことなどが問題になった。

 手続き面からみれば、これらは統計法違反ともいえるもので、完全にアウトである。ただし、統計技術面からみれば、(1)は、全数調査から一部抽出調査に変更するのは、きちんとした手続きをとり、誤差率評価などを行えば正当化される可能性がある。(2)は、統計処理としてはちょっと信じがたい話だが、18年1月からは補正をしている。

 ところが、その統計不正とは別の話も出て、報道がやや混乱している。18年1月から行われた調査標本の入れ替えと労働者ウエートの更新である。これは、統計不正とは関係なく、統計手法において必須の技術的な見直しである。

 標本入れ替えによる影響を除くために、入れ替え前後で共通事業所での継続標本による賃金指数も「参考値」として公表してきた。賃金水準に関心がある人は通常の公表値、賃金伸び率に関心がある人は参考値という使い分けもあり得る。ただし、新規創業した企業も標本に入れる必要があるので、入れ替え後が正式の公表値であり、継続標本のものはあくまで参考値だ。

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