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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】正月明けの熊本北部地震、M5・1なのに震度6弱だったワケ (1/2ページ)

 1月3日に、熊本県北部で震度6弱を記録した地震があった。最大震度6弱は2018年6月に起きた大阪府北部地震以来だ。九州新幹線が運転を見合わせるなど、正月明けのUターンラッシュで混雑する交通機関も乱れたが、被害は少なかった。

 不思議だったのは、起きた地震の規模のわりに震度が大きかったことだ。マグニチュード(M)は5・1。大阪北部地震のM6・1よりも小さかった。数字で1しか違わないが、地震のエネルギーでは32分の1しかない。

 ちなみにMは対数目盛だから、2違うと地震エネルギーは1000倍違う。

 一方、震源の深さは、大阪では13キロ、今回は10キロとほとんど同じだった。つまり、ずっと小さな地震なのに、同じ最大震度6弱を記録したのだ。6弱は震度階で上から3番目の強い震動だ。

 地震の規模に比べて、なぜ揺れが大きくなったのだろう。

 このほど発表された研究で、最大の震度を記録した熊本県和水(なごみ)町の地下にあった軟弱な地盤が揺れを増幅したことが分かった。

 周波数によって増幅度は違ったが、いちばん増幅されたのは1秒間に2回振動する周波数で、この周波数は人間が大きな震度を感じやすい周波数だ。震度計はそれを反映して作られている。

 不幸中の幸いで、この周波数は家屋に大きな被害を生じる周波数よりも高く、より小さな構造物には深刻な被害を与える周波数だった。これが家屋の被害が少なくても震度6弱になった理由だった。

 もし、もっと大きな地震が起きれば、軟弱な地盤の上ではさらに大きな揺れになって家屋に被害を生む可能性があった。

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