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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「ちょっといい話」》元気が戻ったハトたち (1/2ページ)

 《ハトの赤ちゃんが生まれました》

 先日、以前取材させてもらった男性からこんなメールが届いた。うれしい知らせだった。

 男性は、大阪府岸和田市の西野清和さん。がんで亡くなった知人の男性から形見代わりにハトを譲り受けたのがきっかけに、約10年前からハトを飼うようになった。離れた場所から飛ばしてもハト小屋に戻ってくるよう訓練し、毎年9月に行われる「岸和田だんじり祭り」のパレードで100匹あまりのハトを飛ばしていた。

 しかし、昨年は祭りの直前の9月4日に近畿地方に上陸した台風21号の強風で、ハト小屋が倒壊。中にいた多くのハトは逃げ、倒れた巣箱の下敷きになって死んだハトもいた。台風が過ぎてから小屋に戻ってきたハトもいたが、半分にも満たず、パレードでの放鳥は断念した。祭りの一つの目玉だっただけに、このことをニュースとして報じることにした。

 祭り以外にも、地元の小学校の卒業式などでハトを飛ばし、子供たちからは「ハトのおっちゃん」と親しまれていた西野さん。「楽しみにしてくれている子供たちのためにもハトを飛ばし続けたい」と言いつつも、「次の祭りで飛ばせるかどうか、今は考えられない」と気落ちした様子が印象に残っていた。

 だが、街の復興とともに、徐々に前向きな気持ちになっていったようだ。昨年10月には、ハト小屋の上に凛(りん)とした姿勢で並ぶハトたちの写真を添えて《少しハトさん元気が戻ってきた気がします》とメールが届いた。