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【ジュリア・ミント プーチンの国より愛を込めて】リハビリ兵士が語った人生と悲劇 (1/2ページ)

 ドブラヴィーチェル、親愛なる日本の皆様!

 私が暮らす都市、エカテリンブルクの1月は一年で最も寒い月です。ウラル山脈から吹いてくる冷たい風が都市部に降りてきますので、この時期の日中の平均気温はマイナス15℃、夜間はマイナス25℃まで下がることも多いです。

 そんな極寒の朝の通勤ラッシュ時のバス停では、ちょっとしたパニックのように、皆が我先にとバスに乗り込もうとします。

 先日の朝、いつものようにやっと乗り込んだバスの中で一息ついた私が、ふと通路を挟んだ座席を見ると、杖を持って静かに座っている男性の横顔が見えました。

 その時、私はとっさに心の中で叫んでいました。“アンドレイ! あなたはバスに乗れるまで体が回復したのね!”

 その男性は、私が医療研修中の一時期に、リハビリの手伝いをしていた患者でした。

 アンドレイと初めて会ったのは、2年前の冬の病院でした。当時、理学療法室で研修中の私は、ある朝、人懐こい笑顔の新しい男性患者を紹介されました。

 車いすに座っている、その男性の鍛え抜かれた形跡のある上半身を見た時に、私は、“この人は軍人だ”と一目で認識できました。そして、目の前にいる軍人アンドレイが痛みに勝つために、ずっとリハビリに努力してきたことも想像できました。

 アンドレイのリハビリを手伝う日々の中で、彼は今までの人生と自分の身に起こった悲劇について私に語ってくれました。

 その時点で29歳だったアンドレイの人生は困難の連続でした。

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