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【警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識】鳩山元首相の「地震は人災」ツイート、じつはデマではなかった? (1/2ページ)

 この1月に、滋賀県が「毒虫が降り、触ると死ぬ」などのデマがあった姉川地震のときの公文書を公開した。

 1909(明治42)年に滋賀県北東部でマグニチュード(M)が6・8の地震が起きた。現在の長浜市で震度6、県内全域で震度5~4を記録した。同県では珍しい典型的な直下型地震で、死者41人を出した。

 地震が起きた明治42年は「死に年」に通じると言われたこともあって「まもなく灰や毒虫が天から降り、触れるとすぐに死ぬ」と告げる行者が現れたほか、「大地が割れて、泥がわき出てくる」「多くの彗星(すいせい)が衝突して地球が壊れる」とデマが流された。悲観した人たちが「財産を残しても仕方がない」と散財したり、神仏に加護を求めたりしたことも伝わっている。

 地震のときのデマでいちばん被害が大きかったのは関東地震(1923年)のときに、朝鮮人や、誤認された人々が数千人も殺害された事件である。

 悪質だったのは、このデマは政府主導だったことで、警察を統括する内務省が各地の警察署に下達した。「混乱に乗じた朝鮮人が凶悪犯罪、暴動などを画策しているので注意すること」との通達だった。井戸に毒を投げ込んでいるという情報も流れた。

 これらはデマだったが、震災の混乱の中で、官憲や民間の自警団などによって多数の朝鮮人が殺されたほか、朝鮮人と誤認された中国人や、日本語の受け答えが十分に出来ない聾唖(ろうあ)者、そのほか混乱に乗じて多くの社会主義者も殺された。

 2016年に起きた熊本地震(M7・3)でも、熊本市の動物園から「ライオンが放たれた」とのデマが拡散した。18年の西日本豪雨でも「中国人、韓国人、在日朝鮮人たちが火事場泥棒」とのデマがSNSで飛び交った。

 先週起きたM5・8の北海道の胆振(いぶり)東部の地震で鳩山由紀夫元首相のツイートが大きな論争になっている。

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